遺産分割をうまく進めるために

遺産相続はトラブルになりやすいとよく言われますが、中でも遺産分割に関するトラブルは非常に多く、それがきっかけで家族間での仲が悪くなってしまうこともめずらしくありません。
この手のトラブルを経験している人は全体のおよそ70パーセント程度だと言われており、いかに多いかが分かると思います。

それではなぜたくさんの人が遺産相続を経験するにもかかわらずトラブルになってしまうのかと言うと、ひと言で言えば知識不足と欲が大きな原因になってしまっているのではないでしょうか。
本来遺産相続は流れやルールは分かりやすいですし、それに沿って進めていけばトラブルになるようなことはありません。
それなのにトラブルになってしまっているのは遺産相続についての知識が不足していることが明らかですし、相続によって得られる財産を自分のものにしたいという欲が出てしまっているからです。

まず遺産相続の流れから説明していくと、これは期限を区切って考えると分かりやすく、亡くなってから7日以内に死亡届を出したあとは3カ月以内にやらなければならないこと、4カ月以内にやらなければならないこと、10カ月以内にやらなければならないこと、1年以内にやらなければならないこと、3年以内にやらなければならないこととあります。
3カ月以内にやらなければならないことは被相続人となる家族の通夜や葬儀、被相続人名義の口座がある金融機関へ亡くなったことの連絡、受取人の指定がある生命保険の受け取り、健康保険や遺族年金の手続き、遺言書の確認と裁判所での検認、相続人調査、財産調査、遺産分割協議の開始、相続放棄・限定承認と実にたくさんのことがあります。

順番としてはまず亡くなった被相続人の通夜や葬儀を行い、その後金融機関への連絡や健康保険・遺族年金の手続きをして遺言書の有無の確認です。
遺言書の有無によって遺産相続の流れは大きく変わってくるので、ここがひとつのターニングポイントになります。
遺言書が残されている場合は基本的にそこに被相続人の意思が示されているわけですから、記載されている通りに進めていかなければなりません。
ですから遺言書が残されている場合はまず弁護士を呼んで遺言書の開封を依頼し、その後裁判所での検認という流れになります。
遺言書には3種類あって、自筆証書遺言と公正証書遺言、秘密証書遺言とあり、裁判所の検認が必要になるのは自筆証書遺言と秘密証書遺言の2つです。

遺言書の内容に問題がなければそのまま記載通りに相続が進められていきますので、遺産分割協議をする必要はありません。
しかし一般的に遺言書が残されているほうがめずらしく、ほとんどの場合は遺産分割協議へと発展していきます。
遺産分割協議とは文字通り遺産分割について法定相続人同士で話し合うことで、法定相続人と対象となる財産が明確になっている状態ではじめなければいけません。

したがってまだどちらも明確になっていないのに開始することはできませんから、先に相続人調査と財産調査を行います。
その結果法定相続人となる権利がある人の中に相続放棄や限定承認を選択する人がいる場合はその権利を行使することができます。
遺産分割協議は法定相続人全員が揃っている状態ではじめなければいけませんが常にその場で全員集まって話し合うことは難しいと思いますので、電話やメール、LINE等で連絡を取り合って進めても構いません。

次に4カ月以内に準確定申告をしたら10カ月以内に遺産分割協議書の作成、各法定相続人が相続手続きを進める、相続税申告と納付手続きをしなければなりません。
まず遺産分割協議書の作成ですが、これは遺産分割協議で話し合ったことの決定事項を記載するものなので、この時点で協議が完結している必要があります。
つまり遺産分割協議書ができたということは遺産分割が確定したということですから、その後は各法定相続人が相続手続きを進め、相続税が発生する場合は相続税申告と納付手続きを進めます。

参考:相続税対策ガイド|税理士が相続税を節税する方法を徹底解説!

そして遺言書によって相続が進んでおり遺留分が発生する場合は1年以内のところで遺留分減殺請求の期限となりますし、配偶者相続税軽減の手続きの期限は3年以内となっています。
このように遺産相続の流れは期限を区切ってやれば分かりやすいですし、トラブルになることもありません。

加えて遺産分割の割合は法律で定められており、もっとも優先順位が高いのは被相続人の配偶者、次いで子供、父母祖父母、兄弟姉妹という順番に決まっています。
もし法定相続人となる人の中に相続欠格・相続廃除事由に該当しその資格を持たない人がいる場合は法定相続人から除外することも可能です。
また相続できる割合も優先順位に応じて多くなっているので、そのあたりもチェックしておくといいでしょう。
まずは遺産分割をスムーズに進めるためにもどのような流れで遺産相続を進めて行くのか情報収集して確認してみましょう。